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執筆者の写真Sean Sato

加齢集中力

 還暦を過ぎてからある意味で「集中力が高まって」良いと思うようにしています。


 物産展では自社商品、ブースのアピールのためにそれぞれ陳列と創意工夫をしてお客様の五感を刺激するパフォーマンスが行われています。


 まずは、看板、のれん、ポスター、POPは何を売って何が特徴なのかを目で知っていただく定番アイテムです。


 更に商品への訴求力を高めるために商品を並べるだけでなく「試食」、「体験」でお客様により深くアピールしています。ラーメンや蕎麦の試食では楊枝で食べる程度の量から汁椀くらいが良く見かけられます。

 

 そんな中、一番驚いたのはどんぶりで昼食の代わりになるのではと思うほどしっかりと試食をさせている店があった事です。もはや試食の域を超えたアピールです。試食時間が長くなれば、お客様の滞留時間も長くなります。そうすればご購入の機会は増します。さらに、お客様がお客様を呼ぶチャンスも増えます。これにはオーナーの思いがいろいろと感じられます。


 物産展の楽しみは生産者、商品に携わっている会社の人、そしてオーナーから直接話しが聞けることでもあります。また、名物の掛け声、セールストークも会場の賑わいを作っています。大阪吉本興業の舞台にも立ったことがあると言う熊の油を売っている業者さん。口上はがまの油売りの話し並みに面白く、自身の持つキャラともマッチしてお客様を笑わせ引き込むパフォーマンスは見ものです。


 物産展ではそれぞれのブースのエリア内での商売がルールです。しかし、そのエリアを越えるのが音と匂いです。スルメを作る機械の回転音、イカが無くても空回しで電車の音より高い音を立てています。その機械の隣に立っていると7〜8m離れたブースの販売員が、こっそりと寄ってきて「大丈夫ですか?音が気になって堪らない。」と不満を告げられました。また、子供向けの木工品を販売している店では楽器も有り、集客にオカリナを吹いています。高音域の音はお客様が少ない時は特に会場の遠くまで響きます。片耳が難聴の業者さんはやんわりと接客していると話し声が聞こえないと頼み込みます。いずれにしても余程の事が無ければどんな環境でも与えられた環境で商売するしかありません。


 こんな時に役立つのがある意味の集中力です。


 聖徳太子は一度に十人の話しを聞いて理解できたと言う話しが有ります。私も若い時はそこまではもちろん出来なくとも数人の話しは理解出来たかと思います。


 ところが50歳も後半頃から車の運転で明らかに脳がパラレル処理をできなくなっていることに気付きました。助手席に座っている妻と話しをしながら運転していると右折、左折を忘れて通り過ぎる事が起きるようになりました。車の運転は、脳のパラレル処理が要求されます。ハンドルを握って、前後左右の視界に注意を払って運転操作をしています。音楽を聴きながら、ナビを時折見て、その上会話をするわけですから。


 つまり、ある意味で集中力が高まってと言うのは、加齢による脳のパラレル処理能力が落ちたという事でもあります。


 隣でガンガン音が鳴っていてもこの加齢集中力でシャットダウンして気にすることが無くて済みます。もっとも長年音楽のながら族であることも理由かも知れません。



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